
数年にわたり、新型コロナウィルスが世界的に猛威をふるっています。あらゆる所で感染対策が行われており、企業でも独自にいろいろな対策を進めている状況です。
一部では、コロナ対応としてシフト管理を取り入れる企業も見られます。一見すると、関係ないようですが、感染を防ぐことに有効な取り組みのひとつです。企業でシフト管理を担当されている方などは、あらためて学習しておくとより有効に活用できるでしょう。
目次
シフト勤務とは?
近年では、サービス業や病院、および介護施設などを中心とし、導入されている勤務形態のひとつです。業務によっては、対応するスタッフが常に必要なときがあるため、法律でも認められています。
一方で、変則的な勤務による健康への影響も懸念されています。労働者の健康を守るため、法律によって規定が定められており、シフト制を取り入れるには条件を満たすことが必要です。企業の人事担当の方は、まずシフト勤務について理解しておきましょう。
変形労働時間制のことである
シフト勤務とは、1つの勤務時間だけでなく、複数の勤務時間が設けられている勤務のことです。業種によっては、常に対応するスタッフが必要となるため、それぞれの勤務時間をずらすことで対策をしています。法律では変形労働時間制とされ、「2交代制」および「3交代制」などが代表的なシフト勤務です。
企業がシフト勤務を取り入れる際は、法律に従って運用する必要があります。法律に違反すると是正の対象となる可能性があるため、シフト管理をする方は法律を理解しておくことが大切です。シフト管理は法律を遵守し、適切に運用しましょう。
シフト管理の注意点
シフト勤務などの変形労働時間制を導入するときは、法律に従って管理をしなければなりません。なかでも、労働基準法を理解しておくことが必要です。
変形労働時間制とは、法律で定められた時間を超えても、週単位または月単位で調整すれば、時間外として扱わない制度をいいます。例えば、1日8時間を超える勤務をさせた場合でも、週40時間以内であれば、時間外労働としては扱われません。ただし、残業代は支払う必要があります。
変形労働時間制を導入するには、スタッフとの間に労使協定(36協定)を締結させ、労働基準監督署へ書面での届け出が必要です。協定書には、1日単位および週単位など、労働時間を詳しく記載します。
シフトを作成する際は、提出した協定書に従ってシフトを組まなければなりません。記載されている内容と異なった場合、是正処置の対象となる可能性があるため注意が必要です。シフト管理を担当する方は、自社の協定書は確認しておきしましょう。
似ているけど違うフレックスタイム制
シフト勤務と似ていますが、概要が大きく異なります。同じ変形労働時間制の一種ですが、勤務を管理する者などに違いがあり、法律でも別々に定められています。
シフト勤務は、企業側のシフト管理者が労働日や労働時間を決めるものです。対して、フレックスタイム制では、労働日や労働時間を労働者が自ら設定します。
フレックスタイム制は、本人の自由な働き方ができるため、人材の確保をしやすいことがメリットです。一方、従業員ごとの管理能力に左右される部分があるため、企業では導入があまり進んでいません。
なぜコロナ対応に有効なのか?
業種によっては導入が進んでいるシフト勤務ですが、コロナ対応にも有効だとされています。感染症対策において、重要とされる密を防ぐ効果が期待できるためです。具体的には、おもに2つの理由が挙げられます。
1.従業員同士の接触を減らせる
同じ時間帯で勤務するよりは、出社する人数を減らすことができるため、従業員同士の接触を軽減できます。コロナ対応は、接触の機会を減らすことが重要となるため、一度に出社する人数を減らすことは効果的です。
さらには、人材の確保にも期待ができます。近年では働き方も多様になり、優秀な人材を確保しようとした場合、企業側も柔軟な対応が必要です。求職者のなかには、子どもや親の介護など、様々な事情により、所定時間では勤務が難しい方もいます。シフト管理を導入すると、求職者の要望に対応もできるため、所定時間での勤務が難しい方でも就労できる可能性があります。企業にとっても、優秀な人材を確保する機会を逃さずに済むため、大きなメリットがあるといえます。
2.通勤ラッシュ時の接触を回避
通勤時の密集を避けるのにも効果的です。通勤時間をずらすことにより、通勤ラッシュ時にありがちな密になることを軽減できます。
日本の企業では、同じような時間に就業が開始されるケースも多いため、通勤するときも一定の時間帯に密集しやすい状態です。なかでも、都市部などでは通勤に公共機関を使う方も多く、どうしても他人と密接になってしまいます。すると、スタッフが感染するリスクも増加してしまい、企業にとってもプラスになるとはいえません。
一方、シフト管理であれば、感染リスクの高い通勤ラッシュを避けることも可能です。通勤時の感染を抑えることができれば、企業内でもクラスターなどが発生するリスクを軽減できます。
また、満員電車などの通勤は疲れやすく、ストレスの原因ともなるものです。時間をずらすことにより、スタッフの健康面などにも良い影響を与え、モチベーション維持にもなります。スタッフが意欲的になると、生産性も向上し、結果的に業績アップにも期待できるでしょう。
介護士のコロナ対応やシフトについて紹介
今回の記事ではコロナ対応に有効なシフト管理を紹介しました。
コロナ禍での業務やシフトの注意点を理解し働きやすい職場環境にできないか検討しましょう。
またコロナ禍での介護業界にシフトや業務に注意点が存在することを知っていますか?
下の記事ではコロナ禍での介護業界が注意する点について詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
コロナ禍でのシフトや業務は?介護士のコロナ対応
シフト管理をするとコロナ対応だけでなく多くのメリットがある
このようにシフト勤務を導入すると、コロナ対応だけにとどまらず、多くのメリットがあります。上手く活用すれば、人材の確保および生産性のアップを目指すことも可能です。
メリットを最大限に活かすために、まずは法律について理解を深め、適したシフト管理を行っていきましょう。
なお、シフト管理をする際には、自動シフト管理ツールの導入も検討すると良いでしょう。シーライヴ株式会社では、AIが搭載された管理ツールを提供しています。あらかじめ必要な情報を入力しておくと、面倒なシフト作成などをAIが自動でしてくれるため、作業にかかる負担を減らすことができます。


