介護施設でのシフト作成とは?作成時に気を付けるべきポイント

難易度が高めだとされる介護施設でのシフト作成。複雑なシフトルールや勤務形態が、シフト作成を難しくしている原因だとされています。一方で、適切なシフト作成ができれば、従業員の負担を減らすことができ、モチベーションアップにもつながります。担当者の方は、シフト作成に大切なポイントなどを押さえておきましょう。

一般的な介護施設におけるシフトの特徴

介護施設でのシフトには、他業務と異なる特徴があります。業務の性質や取り巻く環境が強く影響しているためです。介護士に興味のある方、および介護施設のシフト担当の方などは、あらためて確認しておきましょう。

1.介護施設での一般的なシフトとは

介護施設のシフトは、2交代制や3交代制で組まれることが一般的です。介護業界では人手不足が課題となっており、少ない人員で業務を回すため、2交代制のシフトを取り入れる施設もよくあります。

2交代制の場合、「16時間勤務」と呼ばれる長時間の夜勤があることが一般的です。スタッフが過労にならないように、翌日に公休日を設けるなどして調整されています。

3交代制の場合には、長時間勤務はありません。8時間が基本的な勤務時間となります。ただし、2交代制と比べスタッフの人数が多く必要です。

2.ルールに沿ったシフト作成

シフト作成をするときには、決められたルールに沿って作成しなければなりません。法律に違反しないことはもちろんのこと、スタッフ間での公平さを保つためです。

例えば、過剰な連続出勤や出勤スタッフの偏りなどがないように、「3日ごとに休日を設ける」というルールを決めている介護施設もあります。

シフト作成をするときに明確なルールを設定することが、スタッフの負担を軽くすることにもつながるといえるでしょう。

3.シフト作成が難しい

介護施設のシフト作成は、難しいと言われることがあります。職業を問わずシフト作成は大変ですが、介護施設には人員不足という課題があり、特に作成が難しい状況です。人手が足りないため、シフトがなかなか埋まらないこともよくあります。

スタッフから要望があったときにも、希望を取り入れることができない現状です。なかには、「休日が取れない」と不満をもち、退職するスタッフもいます。

すると、さらに人員が足りなくなるため、よりシフト作成も難しくなるといえます。

介護施設のシフト作成は、スタッフの働き方が多様なため、医療機関同様複雑なシフト編成が必要です。

正社員からパートまで多様な働き方があり、勤務につける回数がまばら、訪問介護、デイケアセンターなどではご自宅への訪問のため、移動時間などの計算も必要、スタッフ個々人のシフト希望が多様、組織によっては、人材の出入りが多かったり、外部スタッフの活用があります。

このように、定型的な人材・勤務で固定されていない、非定型な働き方が多いため、介護施設のシフト作成は難易度が高く、長年自動化やIT化は難しいと思われてきました。

4.公平なシフトが組みにくい

現状では、公平なシフトが組みにくいことも特徴です。これも、慢性的な人手不足が要因となっています。介護施設では人員が足りないため、シフトも公平に組み入れることが難しい状況です。スタッフの経験や能力を加味したとき、どうしても勤務や配置が偏ってしまいます。加えて、スタッフの要望まで聞き入れるのは、より困難だと言わざるを得ません。介護施設の現状では、公平なシフト作成は難しいといえるでしょう。

介護施設で求められるシフト作成とは

介護施設では、現状の課題となる要件を満たしたシフト作成が求められます。課題を満たすことで、適切なシフト管理ができるようになり、スタッフのモチベーションアップにもつながるためです。大切なポイントはおさえておきましょう。

1.法律などのシフトルールを順守する

当然ですが、法律に違反しないシフト作成が前提です。法律に違反してしまうと、是正処置を受けることになりかねません。場合によっては、営業停止などの重い処分が下る可能性もあります。

また、法律だけでなく、介護業界にあるシフトルールも順守することが必要です。介護施設の現状では順守が難しいこともありますが、きちんと適用することで働きやすい職場環境にもつながります。結果的には、求職者の増加につながるかもしれません。

法律などを順守し、適切なシフト作成および管理に努めましょう。

2.スタッフの要望を考慮する

できる限りスタッフの要望を聞き入れたシフト作成も大切です。スタッフのモチベーションアップにつながり、ひいては業務の効率アップも期待できます。

要望を聞き入れることが難しいときには、できる限りの妥協案を出してみてください。すると、スタッフも「きちんと向き合ってくれた」と感じ、不満も抱きにくいでしょう。

最初から断るのではなく、きちんと向き合う姿勢が大切です。日ごろから、スタッフとのコミュニケーションを心掛けましょう。

3.能力・適正を考えた配置

スタッフごとの能力や適性に応じて、配置を考えるシフト作成も重要です。適切な配置を行うことで、生産性アップにも期待できます。

スタッフの能力や適性に合わせた配置をすることで、最大限に能力を発揮でき、業務の効率も上がります。業務がスムーズに進めば、時間にもゆとりができるはずです。時間が空けば、他の業務をお願いすることもできるため、結果的に生産性の向上に期待できます。

業務が上手く回っていないと感じたときには、スタッフの配置を見直してみましょう。

4.公平さ

公平なシフト作成も求められる要素のひとつです。スタッフのモチベーション維持につながり、チームワークの向上にも期待できます。

不公平だと感じると、職場の人間関係も悪くなる可能性があります。険悪な雰囲気になると、スタッフ同士での連携も取れません。最終的には、業務に支障が出る恐れがあります。

公平さを保つことで、人間関係の悪化を防ぐことに期待ができ、チームワークの向上にもつながります。

公平さを保つには、公平なルールを設けることが効果的です。「1人あたり要望は月2回まで」のように、公平さを加味したルールを意識するとよいでしょう。

コロナ禍の介護業務やシフト

今回の記事では介護施設でのシフト作成について紹介しました。
シフト作成で悩む方も多いと思いますがポイントをおさえることで社員のモチベーションや生産性の向上につながりますので検討してみるのはいかがでしょうか。
またコロナ禍の介護士の業務やシフトを知っていますか?
下の記事ではコロナ禍における介護士の業務やシフトについて詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
コロナ禍でのシフトや業務は?介護士のコロナ対応

効率よくシフト作成するなら自動作成ツールを活用

介護施設の現状について、ご理解いただけたでしょうか。人手不足を解消するには、求職者が働きたくなるような職場環境を作ることも必要です。スタッフの働き方に影響を与えるシフト作成は、働きやすい環境を整えるのに重要なピースだといえます。

どうしてもシフト作成が上手くいかないときには、シーライヴ株式会社が提供する自動シフト作成ツールの導入もおすすめです。必要な情報を入力するだけで、AIが自動でシフト作成をしてくれます。法律や業界ルールだけでなく、スタッフの要望などもシフトに反映させることができ、担当者の負担を減らすことができます。

お困りの方は、導入を検討してみるとよいでしょう。

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